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幼児の吃音への対応

こちらでは幼児の吃音への対応について紹介いたします。

 

幼児の吃音はRASSの環境調整法を実施します

標準型の場合

 吃音(発達性吃音)にはいくつかのサブタイプがあ

りますが、ここでは数的に最も多い Riperのトラック

1(標準型)について説明します。

 幼児の時期は進展段階1層から2層の状態で、第1

では「みみみみかん」(音節や語の部分の繰り返し)

や「み~~かん」(引き伸ばし)が出現する時期で

す。まだ本人に吃音の自覚はありません。そして第2

は「声に詰まってしまう」(ブロック)が出始めます。この段階でも初期には詰まった時だ

け“言えない”と思うこともありますが、常々吃音のことに注目しているわけではありません。

まだ吃音の自覚が乏しいこの時期には環境調整法で対応します

 

吃音が専門である当相談室では「自然で無意識発話への遡及的アプローチ(RASS)」

の考え方に基づいて、環境調整を実施します。世の中の誤解に満ちた環境調整法と区別す

るために我々の環境調整法をRASS環境調整法と呼んでいます。

RASS環境調整法に必要な情報の収集

  環境調整法を実施するためには、吃音質問紙で情報収集と情報の分析と評価が非常に大切

す。その目的はお子さんの吃音の改善のためです。

 

    初期の情報収集と分析・評価:

    本人の周囲の対応状況の情報

    本人の感情表出、意思表出、発話行

  動、発話以外の行動に関する情報

    周囲と本人の相互関係の状態の情報

                           ↓

    上記の①②③の情報を分析し、評価は吃音児の中で何が生じているかを推定

  することなのです。

*この④までできて初めてこうしましょうと言えるのです。

 

臨床家も、お子さんの中で生じているであろう事を直接的には知ることができま

 せん。それゆえに、外に現れて観察できる事をたくさん集めて分析する必要があ

 るのです。なお「吃音質問紙の項目は、都筑が作ったものではなく、長い年月を

 かけて吃音の学童、成人、および吃音の幼児の親御さんから聴取したものを整理

 したものです。親御さんにとって少し耳の痛い質問項目もありますが、誰も悪く

 はありません。環境調整を進めていく間に多くの親御さんにそれらの項目の重要

 さに気付いてもらえています。

指導について

 環境調整法でいう環境とは大きく分けて「言語環

境」と「養育環境」の2つになります。それぞれの内容

がまた細かく分かれてきます。調整はこの2つの側面の

両方で行う必要があり、片方だけでは効果を発揮しま

せん。

 色々なところで「環境調整」という名前で指導が行われていますが、中身が伴っているとは

言い難い状況にあります。本相談室ではRASSの理論に基づいた環境調整であり、細かな部分ま

で分析しながら指導が行われます。

環境調整での変化

1)環境調整の期間は年単位

   吃音が治る場合であっても年単位での時間が必要です。数週間で治るとか半年で治ると

  いうことではありません。(ここで言う「吃音」とは繰り返しや引き伸ばし、ブロックな

  どの吃音の個別の発話症状とは区別して使っています。)

2)細かな変化

   環境調整を開始しますと、行動、感情の面で細かな変化が本人にも親御さんにも週単位

  で生じます。この小さな変化を見過ごさないで進めていきます。指導・訓練の全体は毎日

  の細かな事の積み重ねです。ある日突然に良い方に変わってしまうということはありませ

  ん。

3)進展段階は常に念頭に入れておく必要がある。

   この進展段階は地図みたいな役割を果たします。「今はどこにいるか、以前はどこに

か、今はどこに向かっているのか」を知るうえで重要な役割を果たします。これは症

  状の種類から判定します。

4)症状の種類と重軽

   症状の種類で重いものか軽いものかを知るためには、これも進展段階を見れば分かり

  ます。より先に出現する症状の方が軽いものです。進展してから初めて出る症状の方が重

  いものす。

    「音節、語の部分の繰り返し」→「引き伸ばし」→「ブロック」(つかえる症状)

    (矢印の右のほうがより重い症状、左のものの方がより軽いものです。)

 

   よく誤解を受けるのが、自分の気持ちをいっぱい出せるようになり、話す量が増えて、

  しかも「ブロック」が無くなり、「音節・語の部分の繰り返し」だけとなった時に、発

  話症状が目立つので悪化したと思われることが多いのです。ここで重要なのは目立つか

  目立たないかではなく、出ている症状の種類に注目する必要があります。この場合は、

  第2層から第1層の前半に戻ったので、軽減です。

   環境調整法を行っていく上で、他にも多くの側面に同時に気を配りながら行う必要が

  あすが、それらは臨床家の方で行い親御さんにお伝えしますので、親御さんは具体的

  な事項を体験しながら、そしてお子さんの変化を確認しながらめることができます。

   環境調整を真剣に行いますと、数ヶ月間は親御さんは無意識にまたは習慣的に行って

  いた行動の一部を意識して止めなければならないので、イライラする期間があります。

  この時にも言語聴覚士の助けが必要となります。しかしここを乗り越えますと、お子さ

  んの良い方への変化と相まって、親御さんご自身も自縄自縛の状態からとても気楽にな

  ります。このように言語聴覚士と協力しながら環境調整が進められます。

 

症状が出ない期間

 第1層(吃音の初期の段階)に戻りますと症状の出ない期間と出る期間が交互に表れます。

これを変動性(波)と言います。この変動性は吃音になり第1層の時に生じた特徴でもありま

すが、改善過程でより進んだ段階から第1層に戻った時も同じように出現します。波の基本的

な間隔は1ヶ月くらいです。

 この発話症状が現れない期間は吃音が治ったのではなく、症状が現れる期間が来た時に再発

たのでもありません。第1層にはこのような特徴があるのです。

 

  発症した時は、多くの親御さんや周囲の人は症状が出ない期間を治ったと思い、症状が出る

間を再発したと勘違いします。そして吃音発症初期の段階ほど適切に環境調整を行えば正常

域に達する可能性が高いのですが、残念ながら前述の誤解のために様子を見ればそのうち良く

なると思い、専門家への相談が遅れがちです。23年たって第2層になり声が詰まること(ブ

ロック)と随伴症状が出て、明らかに他のことは違う状態になってから相談に訪れる場合が多

いのが現状です。(この相談が遅れがちであることを非難しているのではありません。むしろ

責任の一端は言語聴覚士にもあります。それは世の中の人々への知識の啓蒙が進んでいないか

らです。)

逆戻り要注意期間

 第1層の症状が出たり出なかったりする期間から正常域に向かう場合の判断は、症状(音節と

語の部分の繰り返し、引き伸ばし)が全く出なくなってから34ヶ月過ぎた時点で、逆戻り要

注意期間に入ると判断します。3ヶ月の時点で判断したのであれば、後9ヶ月間がこの期間で

す。4ヶ月の時点で判断したのであれば後8ヶ月間です。全体として症状が出なくなってから1

年間がこの逆戻り要注意期間です。

 この期間内は文字通り、また症状が出てしまう状態に戻りやすい期間です。この期間過ぎ

て初めて治ったと言えます。せっかくここまで来たのですから、この間は逆戻りしないうに

環境調整を続ける必要があります。逆戻り要注意期間を過ぎたら環境調整は終わります。

お申し込みについて

事前の無料相談、

 実際に指導・訓練の申し込みをする前に「指導の内容はどうか? 自分たちの希望に合うの

か? どんな人が指導するのか?」など、実際に話しを聞いて確かめたいと思うのはごく自然

なことです。

 当相談室では無料相談を設けておりますので、お申込み頂く前に確認ができます当相談室

では、ご相談者のご納得がいただけないまま手続きを進めるようなことは一切ございません。

一つでもご不明点がございましたら、お気軽にご質問ください。

 じっくりと時間をかけ、ご説明いたします。無料相談でも、指導の段階でも60分を掛けて対

応させて頂きます。

 無料相談の段階でも個人情報、相談で知り得たことの秘密が守られます。

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お問い合わせから、初期の指導・訓練までの流れ

   環境調整法での初期の指導の流れ

1.本ホームページの「お問い合わせ」から、お問い合わせください。

                  

2.当相談室からメールにて無料相談のご連絡を致します。

                 

3.無料相談による面談の実施

                  

4.(指導開始の場合)指導開始面談と吃音質問紙による情報の収集・評価、基本

  的内容の指導

(次回面談までの間隔は1~2週間)

               

5.初回の指導内容の実施にて出てきた具体的な不明点への説明と現状把

(親御さんへのサポートも含みます。これ以降の面談でも同様です。)

(次回面談までの間隔は1~2週間)

                 

6.子供の変化、親御さんの変化を確認しながら、より細かな疑問にも対応して

    いきます。

         

 (次回面談までの間隔は約1ヶ月)

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相談室お休みのお知らせ

他のサイトで私の年表方式のメンタルリハーサル法と【M.R.M】を関連付けているものがありますが、両者は全然関係のない訓練法であることをお知らせします。


            


 

無料資料提供

言語環境の調整、間接法の説明があります。

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代表:都筑澄夫

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