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愛知県名古屋市東区東桜1丁目10番29号 パークサイドビル栄10階10B号室
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長年、大学で吃音の研究と臨床をしてきた本相談室代表が全ての方に直接指導・訓練を致します。
言語聴覚士
1971年 獨協大学外国語学部卒業
1976年 国立聴力言語障害者センター附属聴能言
語専門職員養成所研修
1977年 静岡赤十字病院入職(言語療法担当)
1985年 日本聴能言語学院(現、日本聴能言語
福祉学院)専任教員
2004年 九州保健福祉大学 保健科学部言語聴覚
療法学科 教授
2006年 目白大学 保健医療学部言語聴覚学科教授
2016年 都筑吃音相談室代表
日本音声言語医学会会員
日本高次脳機能障害学会評議員
一般社団法人日本言語聴覚士協会監事
日本吃音・流暢性障害学会会員
RASS吃音研究会会長
当相談室の入っているパークサイドビル栄の周囲の風景
愛知県名古屋市で吃音専門の「都筑吃音相談室」を立ち上げました代表の都筑澄夫(つづきすみお)と申します。病院の言語聴覚士の時代に開発を始め、目白大学の教職員時代に完成させました「年表方式のメンタルリハーサル法 (M・R法)」(メンタルリハーサル法)とRASS環境調整法による吃音訓練を行っています。
吃音の方が「学校や仕事の場面など、実際の社会的場面で自由に話せること」と「吃音による日々の辛さが楽になる」ことを願い、この相談室を立ち上げました。そして独りで悩んでおられる吃音の方の " 吃音に対する誤解 ” を解くことや、〝ご自身の現在の状態”を可能な限り客観的に知って頂きたく、当ホームページでは吃音の方ご自身の感想による情報ではなく、学門的な立場からの情報をお伝えします。興味のある内容を気軽に読んで頂きたいと思います。
なお下記に、長い年月をかけて「年表方式のメンタルリハーサル法」をなぜ開発しなければならなかったのかをお話させて頂きます。正確にお伝えするために専門用語が出てくるところもありますが、それらはとばして読んで頂ければと思います。
■ 吃音の患者さんから気付かされたこと
私は今から40年前に静岡赤十字病院で言語療法(当時の呼び名)の担当として、言語障害のリハビリテーションに従事していました。そして吃音訓練にも取り組んでいました。当時行っていた吃音の訓練は、現在の名前でいえば流暢性形成訓練や吃音軽減(緩和)訓練、そして現在でも行われている「リズムを取ったり、引き伸ばしたり、意識してゆっくり話すなどのテクニックをつかった話し方の練習」が主でした。そして効果があると思っていました。しかし患者さんからの訴えで、訓練室内での効果が社会生活場面では発揮されていないことが判明しました。患者さんは病院から帰ると相変わらず吃っていたのです。
従来の訓練法は訓練室では効果を発揮しますが、その効果が社会生活場面に拡がりにくいという大きな欠点をもっています。そして吃音の患者さんが実際に生活する学校や職場などの場面では「吃って恥ずかしい思いや、変なしゃべり方をする人だと他の人から見られる辛さや、皆が簡単に話せることを自分はできなくてだめな人間だと自分を責めたり、話さなければならない場面が近づくと ❝また吃るに違いないという不安❞ が自動的に湧いてきたり、自分の辛さは誰にも分かってもらえないという悩み」に毎日苦しみ、そしてこの苦しみから逃れたくても逃れられないでいたのです。
20歳代の臨床家であった私は訓練室内のことだけに目を向け、患者さんの実際の生活場面の状態までは注意が向いていなかったのです。訓練室内だけのことを考えていたのでは臨床家としては “自己満足” であり、患者さんの苦しみを見ることができていなかったのです。患者さんが望んでいたことは、「実際の社会的場面で自分の考えを自由に話せること」と「吃音による日々の苦しみ」の両方の改善なのだと気付かされました。
■ 昔からの訓練法との決別とゼロからの再出発
この時に、従来の ❝ 話すためのテクニックを使って話す練習をする訓練法 ❞ の限界を、痛切に味わい打ちのめされました。何ヶ月もの間、"問題は何なのか? 何が必要なのか?” 私自身が苦しみもがく日々を過ごしました。そして出した結論は “従来の吃音に対する考え方” を全て捨てて、全くゼロから再出発するというものでした。当時は「あべかわ餅」で少しは知られている静岡市を流れる安倍川という一級河川の近くで安い家を借りて住んでいました。私は当時読んでいた吃音の本や論文を庭に持ち出し、火を付けて燃やすことで、従来の欧米の吃音に対する考え方と決別しました。それ以降は目の前の吃音の患者さんに生じている事実を学術的視点で深く分析することに努めました。そして数年して、現在の「年表方式のメンタルリハーサル法(M・R法)」の基礎ができあがり、吃音が治る方が出はじめたのです。「話すことと吃音による辛い思い」が治った最初の方の自信に満ちた笑顔を今でも忘れられません。その笑顔がその後も臨床と研究を続けてきた大きなエネルギー源となっています。
■ 言語聴覚士を目指す学生の教育と臨床と研究
後に言語聴覚士の養成施設(日本聴能言語福祉学院、九州保健福祉大学、目白大学)の教職員になってからも、言語聴覚士の養成と並行して吃音臨床を続け、言語病理学者としてメンタルリハーサル法による吃音訓練法を研究し続け、より多くの吃音の方に有効であるように改良を重ねて参りました。
開発当初、言語障害に関係する医学会では欧米から導入された考えや訓練手法が主流で、なかなか受け入れてもらえなかったこともありましたが、着々と臨床研究にて事実を積み重ね、現在では認められております。こうして間接法である「年表方式のメンタルリハーサル法(M・R法)」は完成しました。現在ヨーロッパやアメリカで主流の直接法(話し方の練習をしたり、話し方をコントロールしたりする訓練法)では「話すことを回避する段階」になった吃音はアメリカの専門家の間でも治らないとされています。しかし私が開発した訓練法ではアメリカでは治らないとされている「話すことを回避する段階」の吃音でも一定の率で軽くなったり、治ったりする様になりました。
■ 学校や仕事などの社会的場面でも話すことが楽になる訓練法こそ
が吃音の方を幸せにする。
私どもが吃音訓練に携わる時に重視していることは、吃音の方も訓練室内で過ごすのは極一部であり、ほとんどの時間は家庭や仕事に関係する社会的場面で生活しているという当たり前の事実です。
従来の「声をだして話す練習をする訓練法」には大きな欠点がありました。それは訓練室内でスラスラ話せても、日常の生活場面で話す時には訓練室内での効果が発揮されずに相変わらず吃ってしまうことです。訓練室内で効果があったとしても実際に生活する場面で効果が発揮されなければ、その訓練法は吃音の方を幸せにする方法ではないと考えます。
吃音の訓練法に求められる最も重要な事は、吃音の方が実際に生活する学校や職場や他の社会的場面でこそ話すことが自由になり、辛さがなくなることを実現できることだと考えています。これを実現できてははじめて吃音の方を幸せにする訓練法なのです。私どもの訓練法はこのことを一定の率で達成できるという特徴をもっています。
訓練手法である「年表方式のメンタルリハーサル法」の基礎となった考え方を【自然で無意識な発話への遡及的アプローチ(Retrospective Approach to Spontaneous Speech (RASS)】と名付け、私どもの吃音臨床にとって重要な理論となっております。
私どもは吃音の訓練は言語聴覚士の国家資格をもち、しかも吃音を深く理解している専門家が行うべきと考えています。しかし吃音に興味を持ち専門的に対応している言語聴覚士が全国的にも少ないのが現状です。そのために数年前から「RASS吃音研究会」を結成し、大学を退職後も言語聴覚士向けにRASSの理論と実践の研修会を行っております。いつの日か、吃音の方が全国のどこででも言語聴覚士の所にいけば、日常生活でも効果を発揮する吃音訓練が受けられる日が来ることを夢見て、活動中です。
■ 日本のオリジナルな訓練法としてアメリカで紹介
今年(平成28年)はちょうど年表方式のメンタルリハーサル法の開発にのりだしてから39年目となります。今まで日本の言語病理学の知識は欧米から取り入れられたものが多かったのですが、国立の研究所の吃音研究者が日本の吃音に関わる現状のレビューをアメリカの学会誌( American Journal of Speech-Language Pathology )に投稿し、掲載されることになりました。その中で、日本のオリジナルな訓練法として「年表方式のメンタルリハーサル法」が紹介されています。
■ 民間の吃音相談室でもメンタルリハーサル法が受けられるように
なりました。
目白大学の教職員時代は教育、臨床、研究業務の中で吃音の方にお会いできる時間が限られていました。このような状況のもとで、目白大学耳科学研究所クリニックで吃音臨床を行っていた時は申し込みが多すぎて、多くの方をお断りしなければならない状態であったことを今でも心苦しく思っています。
平成28年3月に目白大学を退職し、6月1日に「都筑吃音相談室」を開設しました。これからは吃音の方の訓練に多くの時間を割くことができます。今まで医療の分野で用いられてきた訓練法で、しかも数的に限られた人しか受けられなかった「年表方式のメンタルリハーサル法」による訓練が、民間の吃音相談室でも受けられるようになりました。吃音の方の「話すことの悩みや辛さ・苦しみ」の改善の活動が可能となりましたので、一人でも多くの悩める吃音の方と共に歩んでいきたいと強く願っております。
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